ikeguchiさんのCDレビュー [プロフィール]
フランス人のフルニエが奏でる重厚なブラームス
ブラームスのCDの中で私の愛聴盤の一つ。フルニエの持つ表現力の凄さが最高度に発揮された名演奏。「高貴」の一言でもって葬り去られることもしばしばあるフルニエのチェロだが、そういう評価をする人にはこのブラームスを聞いてみろといいたい。バックハウスがブラームスを弾いて巧いというのは別に驚かないだろうが、その脇で弾いているフランス人のフルニエがバックハウスに引けをとらない演奏を繰り広げているのは俄かに信じがたいところだろう。ここに収録された2曲のうちだと第1番のほうが若干良い出来のように思われるが、どちらも甲乙つけがたい。静謐さの中で切ないパッションが展開するかのような曲想を持つ第1番は、かつてこの曲を最近よく聴くと言ったら、友人に「何か悲しいことでもあったんですか」と問い返されたことがある。私がこの曲をかけるときはいつでも悲しい気分というわけでもないが、しかし心の中にあるそういう一抹の感情がとりわけフルニエのチェロによってかきたてられていることも否定できまい。そしてフルニエとバックハウスの演奏はその私の取るに足らない感情をこの素晴らしい芸術作品を通じて美しい結晶へと飛翔させてくれる。だからこの演奏はついつい聴きたくなる。第2番のほうは一転雄雄しくスケール感たっぷりの曲想。第1番から20年の歳月を経ており、その間のブラームスの進化を感じさせる楽曲となっているが、ここでもフルニエとバックハウスがしっかりと組み合った演奏は文句のつけようがない。巨匠と巨匠ならではの境地だ。
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◆スケルツォの美しさはフルトヴェングラー盤を上回る出来か
◆いぶし銀のブラームス
◆「わが祖国」がこんなに雄弁な楽曲とは
◆シューベルトはかくも美しい
◆すさまじい霊感
ブラームス:チェロ・ソナタ第1・2番価格: ----
発送: 在庫切れ
アーティスト:
バックハウス(ヴィルヘルム)
ブラームス
フルニエ(ピエール)
収録曲:
チェロ・ソナタ第1番ホ短調op.38
チェロ・ソナタ第2番ヘ長調op.99